6/20のニュースで「タウリンは老化防止に役立つ可能性」のニュースがありました。
タウリンの継続的な摂取で寿命が延び、骨量など健康度を示す数値が改善さると
米コロンビア大学などの国際研究グループが発表しています。
ただし、臨床実験は未実施のため、あくまで発表されただけで正式に実証されたわけではありません。
タウリンは甲殻類、貝類、イカ、タコなどの魚介類に多く含まれ
人間にも体重の約0.1％、心臓や肺、肝臓、脳などの臓器や組織に含まれる物質です。
消化器管でコレステロールの吸収を抑えるなどの働きが知られていて
体内でも作られますが加齢とともに減少します。
日本では食材より栄養ドリンクの成分のイメージが強いですね。
実験では
①人間の45歳前後に相当するマウスに毎日1回タウリンを含む溶液を餌に補給し、血中濃度を若いマウスと同レベルにした。
→タウリンを補給したオス、メスのマウスの寿命は補給しなかったマウスよりオスは10％、メスは12％延びた。
→この延びは人間では7～8年分に相当。
②人間の60歳前後に相当するマウスに1年間タウリンを補給し、補給しなかったマウスとさまざまな健康指標を比較した。
→補給したメスのマウスは加齢による体重増加が抑えられた
→オス、メスともエネルギー消費量が増し、骨量や筋力も増え、人間の場合うつ症状と言える不安を示す行動も減った。
といった結果だそうです。
また、通常の摂取量以上の量を摂取させたが毒性影響はなかったとのことで
過剰摂取の心配も無いのかな？
タウリンは1日500～2000ミリグラム程度が摂取の目安とされており、
内閣府の食品安全委員会なども毒性影響は認められないと評価、上限値も定められていないようです。
もっとも、専門家は一般論としてビタミンなどの栄養素の安易な過剰摂取はしない方が良いと指摘しているのはお忘れ無く。
サイエンスポータル「タウリンは老化防止に役立つ可能性 米コロンビア大の動物実験で判明」
https://scienceportal.jst.go.jp/newsflash/20230620_n01/
Columbia University「Taurine May Be a Key to Longer and Healthier Life」
https://www.cuimc.columbia.edu/news/taurine-may-be-key-longer-and-healthier-life
SCIENCE「Taurine deficiency as a driver of aging」
https://www.science.org/doi/10.1126/science.abn9257
対象外物質※ 評価書 タウリン ※PDF
https://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/02/dl/s0203-9n.pdf
食品安全委員会「評価品目名 タウリン」
http://fsc.go.jp/fsciis/evaluationDocument/show/kya20080325002
